初めての富士登山|プライベートガイドで歩いた笑顔の1泊2日
今回ご案内したのは、登山を始めてまだそれほど経験の多くない、ご友人同士のお二人。
登山を始めて3回目くらいの頃に「富士山に登ってみたい」という話になり、いろいろと調べる中で、プライベートガイドなら安心して挑戦できそうと考え、
Summit Push Mountain Guide にご依頼いただきました。

剣ヶ峰へ。初めての富士登山で日本最高地点まで歩きました。
今回の1泊2日は天候にも恵まれ、富士山頂からのご来光、剣ヶ峰、お鉢めぐりまで、予定していた行程をすべて楽しむことができました。
ただ、私が特に印象に残っているのは、山頂に立った瞬間だけではありません。
長い下山で疲れや膝の違和感がありながらも、最後までお二人に笑顔があったことです。
プライベートガイドだからといって、必ず山頂に立てるわけではありません。
天候や体調によっては、予定を変更することもあります。
その日の状況とお客様に合わせながら、登頂だけではない富士登山の時間そのものを楽しんでいただくこと。
今回は、そんなプライベートガイドで歩いた富士山1泊2日の様子をご紹介します。
初めての富士山へ
当日は朝6時に河口湖周辺の宿泊先へお迎えに行き、車で富士スバルライン五合目へ。
約1時間で五合目に到着しました。
富士スバルライン五合目は標高約2,300m。
到着してすぐに登り始めるのではなく、出発の準備をしながら標高に身体を慣らす時間を取ります。
そして8時15分、いよいよ1泊2日の富士登山がスタート。
1日目の目的地、本八合目のトモエ館を目指します。

人の少ない時間帯から登山スタート
この時間は登山者がまだ比較的少なく、歩きやすいのも良いところです。
休憩場所も確保しやすく、お二人のペースで登り始めることができました。
富士山では、お昼前後になると登山ツアーなどの団体も増えてきます。
これまで富士山をご案内してきた経験からも、スケジュールが許すのであれば、10時前に出発することで混雑を避けやすく、時間にも余裕を持ちやすいと感じています。

六合目から七合目へ。途中でひと休み。
お二人に合わせたペースで本八合目へ
六合目を過ぎ、少しずつ標高を上げていきます。
登っている途中、お二人から
「想像していたよりもゆっくり登るんですね」
という話がありました。
これまでの登山では苦しく感じることも多かったそうですが、今回はペース配分を任せたことで、かなり楽に歩けているとのことでした。
もちろん、歩きやすいペースには個人差があります。
プライベートガイドだから常にゆっくり歩くということではなく、その日の体調や登山経験、実際に歩いている様子などを見ながら、お客様に合ったペースでご案内しています。

七合目からは岩場も増えてきます。
この日は夕方までは天候が安定すると考えていたため、時間にも余裕がありました。
お二人の様子を見ながら休憩も多めに取り、できるだけ急がずに標高を上げていきます。
また、1日目は雲が多く、強い日差しを受ける時間が少なかったことも、登るには良い条件でした。
富士山は快晴なら素晴らしい景色を楽しめますが、日差しを遮るものがほとんどありません。
強い日差しの中を長時間歩けば、暑さで体力を消耗することもあります。
景色だけを考えれば青空がうれしいところですが、この日のような適度に雲のある空も、登りやすさという意味では悪くありません。

休憩を取りながら、ゆっくり標高を上げていきます。
そして15時30分。
この日の宿泊先、本八合目のトモエ館に到着しました。
本八合目トモエ館で過ごす夜
15時30分、本八合目のトモエ館に到着しました。
お一人にほんの少し頭痛のような違和感があったものの、つらいほどではない様子。
食欲もあり、お二人とも元気そうでした。
到着後はトモエ館名物のあんぱんを買ったり、オリジナルの短い金剛杖を購入したりして、山小屋での時間を過ごします。
金剛杖には山頂の神社で頂上印を押してもらうこともできるので、富士登山の思い出のひとつとして提案しました。

あんぱんとミニ金剛杖も富士登山の思い出に。
16時30分頃から少しずつ霧が濃くなり、その後は雨になりました。
この日の夕食は17時30分頃から。
基本の夕食はハンバーグカレーですが、食欲があれば別途追加で注文することもできます。
夕食後はすぐに寝るのではなく、翌日の出発に備えて荷物を整理。
ヘッドライトやヘルメットなど、必要な装備も準備してもらいました。
翌日はお鉢めぐりも希望されており、なるべく時間に余裕を持って登りたいとのことだったため、出発は午前1時30分に設定しました。
遅くとも出発30分前には起きてもらうことを伝え、20時頃には就寝。
お一人はよく眠れたそうですが、もうお一人は寝たり起きたり。
普段とは違う山小屋の環境では、必ずしもぐっすり眠れるとは限りません。
翌朝はいよいよ、山頂とご来光を目指します。
午前1時30分、山頂とご来光を目指して出発
午前1時30分、本八合目トモエ館を出発しました。

午前1時30分、本八合目トモエ館から山頂へ。
この日は風も穏やかで晴れており、夜間登山には良いコンディション。
山頂に近づくにつれて少し渋滞もありましたが、平日だったこともあり、長時間その場で止まってしまうほどの混雑ではありませんでした。
少しずつ進みながら休憩も取れるので、身体を冷やさない程度の渋滞であれば、それほど悪いものではありません。
順調に高度を上げ、3時45分に山頂の久須志神社に到着しました。
トイレなどを済ませたあと、お二人が希望していた剣ヶ峰を目指して歩き始めます。
当初は順調に進めば剣ヶ峰付近でご来光を迎えることも考えていましたが、実際の進み具合や日の出の位置、混雑状況などを見ながら判断することにしていました。
日の出が近づいたところでお二人と相談し、朝日岳付近でご来光を迎えることにしました。
山頂では立ち止まっている時間が長くなるほど身体が冷えていきます。
できるだけ待ち時間が長くならないように調整し、防寒着を着て日の出を待ちました。
そして日の出の約20分前。
朝日岳付近で、ご来光を待つことにしました。
富士山頂で迎えたご来光
朝日岳付近で日の出を待ちます。
この日は風も弱く、ご来光を見るにはとても良い条件でした。

夜明けの雲海を眺めながら、ご来光を迎える場所へ。
空が少しずつ明るくなり、眼下にはきれいな雲海が広がっていました。
お二人もご来光をとても楽しみにされていたので、写真を撮りながらも「せっかくなので、自分の目でもしっかり見てくださいね」とお伝えしました。

雲海の向こうから昇り始めた朝日。
そして、雲海の向こうから太陽が昇り始めます。
これまで富士山で何度もご来光を見てきましたが、風が弱く、これだけきれいな雲海が広がったこの日の景色は、自分から見ても最高のご来光だったと思います。

富士山頂から望むご来光と雲海。
お二人もとても満足された様子で、初めての富士山で迎える印象的な朝になりました。
ご来光を見たあとは、お二人が希望していたお鉢めぐりへ。
ここから富士山の最高峰、剣ヶ峰を目指します。
お鉢めぐりと剣ヶ峰へ
ご来光を見たあとは、お二人が希望していたお鉢めぐりへ。
今回は時計回りで歩きます。
お鉢めぐりは反時計回りが禁止されているわけではありませんが、歴史や文化的な背景に加え、急勾配の「馬の背」を下るよりも登る方が安全という点からも、基本的には時計回りで案内しています。
まずは富士山本宮浅間大社奥宮に立ち寄り、短い金剛杖に頂上印を押してもらいました。

奥宮で短い金剛杖に頂上印を。
お土産を見たり、トイレを済ませたりする時間も取り、そこから富士山の最高峰・剣ヶ峰を目指します。

富士山本宮浅間大社奥宮にて。
剣ヶ峰に到着したのは6時頃。
山頂の石碑で記念写真を撮るための長い列ができていました。
経験上、かなりの待ち時間になることが予想されたため、そのことをお伝えすると「石碑での写真はなくても大丈夫」とのこと。
そこで列には並ばず、横の階段から剣ヶ峰へ上がりました。
剣ヶ峰では石碑での記念撮影に目が向きがちですが、石碑そのものが富士山の最高地点というわけではありません。
人工物を除いた富士山の最高地点をお伝えし、そこで記念写真を撮りました。
そのことをお伝えすると、お二人にも喜んでいただけたようでした。
お鉢めぐりの途中では、雲海に大きく伸びる影富士も見ることができました。

雲海に大きく伸びる影富士。
天候にも恵まれ、青空と雲海を眺めながらお鉢めぐりを続けます。

お鉢めぐりで剣ヶ峰へ
一周して久須志神社に戻ったのは6時50分頃。
山頂での時間を十分に楽しみ、7時に下山を開始しました。
最後まで笑顔で、五合目へ
7時、久須志神社から下山道分岐まで歩き下山を開始しました。

朝の雲海を眺めながら、本八合目へ。
山頂から本八合目へ向けて下っていきます。
お鉢めぐりを終えたあとの下山でしたが、まだまだお二人には笑顔が見られました。

山頂から本八合目へ。下山中も笑顔のお二人。
約45分で本八合目トモエ館に到着。
飲み物を購入したり、朝食を済ませたりして休憩し、8時30分に再び五合目へ向けて出発しました。

本八合目トモエ館で朝食と休憩。
ここからは長い下山が続きます。
途中、お一人に膝の違和感が出てきたため、持っていた膝のサポーターを装着しました。
七合目のトイレから馬の待機場付近までは、急で滑りやすい場所もあるため、安全を考えて荷物を持つことにしました。
決して楽な下山ではなかったと思いますが、最後まで笑顔が見られたことは、今回の2日間で特に印象に残っています。
2日目は朝からよく晴れていたため、暑さによる体力の消耗や脱水にも注意しながら、水分補給を促して下っていきます。
そして11時50分、富士スバルライン五合目に到着。
予定していた時間どおりの下山となり、お二人とも元気に戻ってくることができました。

11時50分、富士スバルライン五合目に無事到着。
プライベートガイドでは、下山後の予定もできる限りお客様の希望に合わせています。
今回は五合目で昼食を取りたいとのご希望だったため、ゆっくり昼食を取っていただきました。
その後は荷物を整理し、冷たい飲み物とおしぼりをご用意。
身体のケアのひとつとして、アミノ酸サプリメントもお渡ししました。
最後は日帰り入浴のできる温泉施設までお送りして、今回の1泊2日のプライベート富士登山は終了です。
お客様からいただいたご感想
登山を終えたあと、お客様から嬉しいメッセージをいただきました。
「ものすごくいい思い出になって、一生忘れない思い出になりました!
写真もすごくいい写真ばかりで、今後いつ見てもこの登山の情景が思い浮かびそうで嬉しかったです!
家族にも友達にもたくさん送りました!」
※お客様より掲載許可をいただき、一部を抜粋してご紹介しています。
Summit Push Mountain Guideでは、登山中の様子を私のカメラでも撮影しています。
山頂での記念写真だけでなく、歩いている姿や景色を眺めている様子など、自分たちではなかなか残せない自然な場面も、できるだけ撮影するようにしています。
今回も2日間を通してたくさんの写真を撮影し、登山後に写真データをお渡ししました。
富士登山を終えたあとも、写真を見返したときに、その日の景色や時間を思い出してもらえたら嬉しく思います。
すべてが揃った、恵まれた2日間
今回の富士登山は、お二人の体力や気力に加えて天候にも恵まれ、2日間を通してとても順調な山行となりました。
初めての富士登山で山頂に立ち、山頂からのご来光を見て、剣ヶ峰へ登り、お鉢めぐりも一周する。
さらに2日目は素晴らしい天候にも恵まれました。
これまで長く富士山をご案内してきましたが、ここまで条件が揃う山行は決して多くありません。
自分自身のこれまでの経験を振り返っても、すべてが揃ったと感じるのは数えるほどです。
天候はある程度予測することはできても、コントロールすることはできません。
どれだけ準備をしても、天候や体調によっては予定を変更したり、山頂を目指さない判断をすることもあります。
だからこそ今回は、お二人が最後までしっかり歩いてくださったこと、そして2日間の天候に恵まれたことをありがたく感じています。
プライベートガイドだからといって、必ず山頂に立てるわけではありません。
その日の天候や体調、お客様の希望などを確認しながら、そのときにできる富士登山を一緒に考えていく。
そして、最後まで安全に無事に下山することを大切にしています。
富士山は、その方にとって一生に一度の登山になるかもしれません。
今回のようにすべてが揃う日もあれば、思い描いていたとおりにならない日もあります。
それでも、登頂だけではない満足感を感じてもらえるような時間にしたいと思っています。
一緒に歩く時間も含めて「富士山に登ってよかった」と思っていただけるように。
これからも一期一会を大切に、一人ひとりのお客様と富士山を歩いていきたいと思います。
初めての富士登山を考えている方へ
Summit Push Mountain Guideでは、プライベートガイドを中心に登山をご案内しています。
登山経験や体力、山でやってみたいことは、一人ひとり違います。
事前にご希望を伺いながら、その方に合ったペースや行程を考え、当日も天候や体調を確認しながら柔軟にご案内します。
富士山が初めての方や、登山経験が少なく不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。
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