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2025年11月7日、四国最高峰の石鎚山(標高1,982m)を成就社ルートから登りました。

石鎚山は日本百名山の一つであり、古くから山岳信仰の山として知られています。そして登山者にとって印象的なのが、岩壁に掛けられた巨大な「鎖」です。

今回は成就社から登り、試しの鎖・一の鎖・二の鎖・三の鎖をすべて通過。その後、弥山から石鎚山最高峰の天狗岳まで足を延ばしました。

一方、下山では安全を優先して鎖場を使わず、迂回路を利用しています。

実際に登ってみると、石鎚山の鎖場は単なる観光名所ではありません。傾斜や高度感があり、途中で動けなくなっている登山者も見かけました。

この記事では、晩秋の成就社ルートの様子とともに、それぞれの鎖場で感じた難しさ、弥山から天狗岳へ続く岩稜、鎖場を使わない場合のルートについて紹介します。

今回歩いた石鎚山・成就社ルート

今回歩いたのは、石鎚登山ロープウェイを利用して成就社を経由し、弥山・天狗岳を目指すルートです。

ヤマレコGPSによる石鎚山成就社ルートの軌跡

©国土地理院 ©ヤマレコ

成就駅 → 成就社 → 八丁坂 → 前社ヶ森 → 試しの鎖 → 一の鎖 → 二の鎖 → 三の鎖 → 弥山 → 天狗岳 → 弥山 → 迂回路 → 成就社 → 成就駅

GPSログでは距離16.6km、歩行時間7時間08分、累積標高2,166mとなっています。

ただし、今回は駐車場からログを開始したため、ロープウェイ乗車中の移動も距離・時間・標高に含まれています。実際の登山部分だけの数値ではありませんので、参考程度に見てください。

成就社から石鎚山へ|晩秋の登山道を歩く

この日は朝から快晴。11月とはいえ、歩き始めると汗ばむほどの陽気でした。

まずは石鎚登山ロープウェイに乗り、成就駅へ向かいます。

石鎚登山ロープウェイと晩秋の山肌

紅葉のピークはすでに過ぎていましたが、山麓にはまだ色づきが残っています。高度を上げながら眺める秋の山肌も、この時期ならではの景色でした。

成就駅から歩き、石鎚神社中宮成就社へ。

石鎚神社中宮成就社の鳥居と奥に見える山並み

鳥居の向こうにこれから向かう石鎚山を望むことができます。信仰の山を歩くということを実感させてくれる、印象的な場所です。

成就社を過ぎると、晩秋の森の中へ入っていきます。

落ち葉が積もった登山道に低い日差しが差し込み、秋の終わりらしい静かな雰囲気。天候にも恵まれ、気持ちよく歩くことができました。

前社ヶ森付近まで来ると、いよいよ石鎚山らしい岩峰がはっきりと見えてきます。

前社ヶ森付近から望む石鎚山

穏やかな森歩きから雰囲気が変わり、この先はいよいよ今回楽しみにしていた鎖場です。

石鎚山の鎖場|実際に登って感じたこと

石鎚山には試しの鎖・一の鎖・二の鎖・三の鎖があります。

名前だけ聞くと「鎖につかまって登れば大丈夫」と思うかもしれません。しかし、実際に目の前にすると印象はかなり違います。

場所によっては傾斜が強く、足を置く場所を考えながら身体を持ち上げなければなりません。さらに高度感もあるため、一度怖さを感じると動けなくなってしまうこともあります。

実際、この日も途中で動けなくなっている登山者を見かけました。

鎖は非常に太く頼りになりますが、腕の力だけで身体を引き上げ続けるのは現実的ではありません。足場を確認し、三点支持を意識しながら、脚も使って身体を上げていくことが大切です。

そして何より、難しいと感じたら無理に挑戦しないこと。鎖場には迂回路が用意されているため、体力や経験、その日のコンディションを考えて選ぶことができます。

試しの鎖(48m)|名前以上に手強い鎖場

試しの鎖手前に設置された注意書き

石鎚山の試しの鎖を下から見上げた様子

最初に現れるのが48mの「試しの鎖」です。

「試し」という名前ですが、実際に登ってみると決して練習用という印象ではありませんでした。コンディションや得意不得意にもよりますが、自分は一の鎖よりも険しく感じました。

さらに、試しの鎖は登ったあとに反対側へ下る必要があります。

登りでは見えていた足場が、下りでは確認しづらくなります。そのため、自分としては登ること以上に下る方が難しいと感じました。

ここで怖さを感じた場合は、この先の鎖場についても無理をせず判断した方がいいと思います。

一の鎖(33m)

一の鎖を登る登山者

続いて現れる一の鎖は33m。

今回登った中では比較的足場を見つけやすく、落ち着いて登れば進みやすい印象でした。

ただし、「試しの鎖より簡単だった」というのはあくまでこの日の自分の感覚です。岩が濡れている場合など、コンディションによって難しさは大きく変わります。

慣れてきた頃ほど油断しやすいため、一歩ずつ確実に登ります。

二の鎖(65m)|高度感が増していく

石鎚山の二の鎖を見上げた様子

二の鎖は65mあり、一の鎖から一気に長くなります。

登るにつれて高度感も増し、下を見るとかなり高いところまで登ってきたことが分かります。

二の鎖の途中から見下ろす晩秋の山並み

一方で、途中から振り返った景色は見事でした。

眼下には晩秋の山々が広がり、鎖場の緊張感の中でも思わず立ち止まって眺めたくなる景色でした。

三の鎖(68m)|石鎚山で最長の鎖場

石鎚山の三の鎖を下から見上げた様子

最後は68mの三の鎖。今回登った鎖場の中では最長です。

ここまで来ると疲労もあります。距離だけを見るのではなく、自分の体力を考えながら落ち着いて登ることが大切です。

三の鎖の途中から登ってくる登山者を見下ろす

写真に写っているのは、休みながら登ってくる妻です。

以前ボルダリングを体験していたこともあり、「やっておいて良かった」と話していました。岩場で身体を支えたり、足の置き場所を考えたりする経験は、こうした場所でも役立ったようです。

石鎚山の鎖は太く、非常に頑丈です。しかし、だからといって鎖だけを頼りに腕力で登るのは危険です。

他の登山者が簡単そうに登っている姿を見ると「自分も行けそう」と感じることがありますが、得意不得意や経験には大きな差があります。

自信がなければ迂回路を選ぶ。それも登山では大切な判断だと思います。

弥山・石鎚神社頂上社へ

石鎚山弥山にある石鎚神社頂上社

三の鎖を登り切ると弥山へ到着します。

ここには石鎚神社頂上社があり、多くの登山者にとって石鎚山登山の目的地となる場所です。

そして今回の石鎚山で、のんびり進めている日本百名山は63座目となりました。

ただ、自分たちはここで終わりではありません。

弥山の先には、石鎚山最高峰の天狗岳が待っています。

石鎚山最高峰・天狗岳(1,982m)へ

弥山から天狗岳へ向かうと、ここまでとは登山道の性格が大きく変わります。

目の前に現れるのは、左右が切れ落ちた岩稜です。

弥山から望む石鎚山最高峰の天狗岳と岩稜

まさに絵に描いたような岩稜で、かなりの高度感があります。

鎖場をすべて迂回して弥山まで登ることはできますが、弥山から天狗岳までの区間は別に考えた方がいいと思います。

細い岩場を通過するため、高所が苦手な方や岩場に慣れていない方は、弥山を目的地にする選択も十分にありです。また、強風や雨などコンディションが悪い場合は、無理に進まない判断が必要です。

石鎚山最高峰の天狗岳山頂

慎重に岩稜を進み、標高1,982mの天狗岳へ到着。

写真で手に持っている山頂標識は金属製で、持ってみると思った以上に重かったです。

青空の下に続く岩稜と周囲の山並み。石鎚山まで来たことを強く実感できる景色でした。

石鎚山の下山は鎖場を使わず迂回路へ

石鎚山弥山から鎖場を避けて下る迂回路の入口

天狗岳から弥山へ戻り、下山を開始します。

登りで通過した鎖場ですが、下りでは使用せず迂回路を選びました。

岩場は一般的に、登るときよりも下るときの方が足元を確認しづらくなります。さらに、この時点では登りの疲労も蓄積しています。

今回は「鎖を全部登る」という目的はすでに達成しているため、下山では安全性を優先しました。

石鎚山の迂回路に設置された金属製の階段

迂回路には金属製の階段や桟道が整備されています。

ただし、場所によってはグレーチング越しに真下が見えるため、高所が苦手な方には高度感を感じる場所もあります。

「迂回路=まったく怖くない道」というわけではありませんが、鎖場を下るより安定して歩くことができます。

石鎚山は鎖場を使わなくても登れる?

石鎚山の成就社ルートでは、鎖場を通らず迂回路を利用して弥山まで登ることができます。

そのため、「石鎚山に登るなら鎖場を必ず登らなければならない」というわけではありません。

ただし、鎖を使わなければ簡単な山になるわけでもありません。

成就社ルートは歩行時間が長く、アップダウンもあります。さらに山頂付近の迂回路には階段が多いため、登りでも下りでも脚力を使います。

鎖場に自信がない場合は最初から迂回路を選び、その分、余裕を持った行動計画と体力づくりをしておく方が安心です。

そして、弥山から先の天狗岳は鎖場の迂回路とは別の話です。岩稜歩きになるため、経験や天候を見ながら判断してください。

石鎚山からの下山途中に広がった雲海

下山する頃には雲海も広がっていました。

朝から快晴、晩秋の森、鎖場、天狗岳、そして最後には雲海まで。変化の多い一日になりました。

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同じ四国の日本百名山「剣山」も歩いています。

石鎚山とは山の雰囲気が大きく異なり、こちらは次郎笈を望む伸びやかな稜線が印象的でした。

画像をタップすると記事が開きます。

おわりに|鎖場だけではない石鎚山の魅力

今回の石鎚山登山では、試しの鎖から三の鎖まですべて登り、弥山を経て最高峰の天狗岳まで歩くことができました。

もちろん鎖場の達成感は大きかったのですが、実際に一日歩いて印象に残ったのはそれだけではありません。

成就社という信仰の山らしい雰囲気、晩秋の静かな森、徐々に姿を現す岩峰、天狗岳へ続く鋭い稜線。そして下山時に広がった雲海。

歩くにつれて景色も登山道の性格も変化していくところに、石鎚山の面白さがあると感じました。

一方、鎖場は誰にでもおすすめできるものではありません。怖さを感じたり、自分には難しいと思ったりしたときに迂回路を選ぶことは、決して失敗ではありません。

山頂に立つこと以上に大切なのは、安全に下山することです。

自分の経験や体力、その日の天候と相談しながらルートを選べば、鎖場に挑戦する人にも、迂回路を歩く人にも、それぞれの石鎚山登山を楽しめると思います。

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